下の写真は巾着の紐を持ち手にして手提げにする結び方です

大きな輪のちょうちょ結びを作ります。

ちょうちょ結びの紐先の結び目のあるところまで引き寄せて、ギュウッとしっかりと結びます。

大きな輪っかを二つ重ねて、そこへ手首まで通して巾着を提げて、

手の中に緒締玉をにぎります。

これが巾着の江戸っ子の提げ方です。

小さな巾着ですが、しっかりしていますので、

スマホや喫煙具、もしくは化粧道具やハンカチなど、

ちょこんと入れて、夏には浴衣や着物姿で歩くと格好いいです。

勿論、普段のお散歩や街歩きにもぴったりです。

 

品番-komono92

藍の手績みと手織りの麻と残糸織りの袋もの

price is 9,000円

 

藍で染められた麻。

日本の古来からの麻はいわゆるリネンの麻ではない。

綿花の栽培が困難であった極寒の土地などで、

衣服を作るための材料には、色んな植物の繊維を利用したとのこと。

中でも早く生長して長い繊維の採れる大麻(オオアサ)は衣料や日用品に大活躍したという。

他に、葛、楮(コウゾ)、苧麻、そしてシナの木や藤の木などの樹木の樹皮からも。

そういった素材を総じて”アサ”と呼んだとされる。

この麻は野趣溢れる糸を手績みされて手織りしたアサの布。

けれども手触りは、しっとりなめらかな感触の上質なもの。

まさに薺nazuna好みの麻の布。

深く濃く、藍に染められたアサは、まだ藍の色も染めたばかりのようにフレッシュなもの。

そんな貴重な布を巾着に仕立てました。

 

底部に配した布は、一見すると素朴な格子柄だけれど、

一本一本の糸は機織りの残り糸を集めて糸に紡ぎ直し織った美しい布です。

布を貴重なものとして大事にされていた時代の、手織りの余った糸でさえ無駄無く使い、

そういったものがただのリサイクルや”もったいない”だけで終わらず、

ただただ、”美しいもの”を生み出していた時代の人達が作ったもの。

無地の藍染めの手織りの麻も、平織りの布の中に、確かな打ち込みの織りの手が感じられ、

昔の妥協のない物づくりを垣間見せてくれているように思います。

 

内布には、厚手の縞の麻の古布を合わせました。

縞を縦と横に使って、麻には麻の重ねで心地よく。

巾着の紐通しには、一つ一つシニュー糸でループを編んでいます。

シニュー糸はネイティヴアメリカンの革細工に用いられてきた大鹿の腱を糸にしたのが由来です。

今では人工糸で動物由来の腱を模したものを使用されています。

細く裂いて使うことが出来、そして強靭な人工シニュー糸は、手縫いの革製品にだけ用いられてきました。

シニュー糸で編んだ紐やループは麻糸よりも細く、且つ強靭に仕上げることが出来るので、

今や薺nazunaの物づくりに欠かすことの出来ない素材となりました。

様々なシニュー糸がありますが、インディアン・シニューは最も質の良いものと思って使っています。

革製品の中でも手縫いにのみ使用される人工シニュー糸を製造する職人さんが減ってきているそうで、

こちらも貴重な糸になりつつあります。

 

留め紐は日々の使用に丈夫なようにと、なめらかな苧麻の糸を四つ組に編みました。

桃色のガラスの緒締め玉を通しました。

150年から200年前のインドで作られたとんぼ玉です。珊瑚に見立てて作られたものです。

 

袋口には物が取り出し易いように、ボタンで開け閉めできるようになっています。

100年以上前に英国で使われていたボタンと、

表のサイドには、エドワード朝時代のアンティークの小さなボタンをあしらって。

真鍮製のボタンは当時の手作りのもの。

ささやかなアクセントに。

 

一見、シンプルだけれど、

今ではもう容易に手に入ることの出来ない素材を吟味して、

一針一針、手縫いして仕立てています。

手にしたときに何か心が和むような、

手にしたときに、ワクワクした気持ちが心に広がるような、

そんな袋ものに仕上がったと思います。

是非、暮らしの道具としてお使い頂けましたら幸いです。

 

size : W15cm × H21.5cm(高さにループ含まず。縦横サイズにマチ3cm含む)

表布 : 藍染めのアサ+残糸織りの木綿 古布

内布 : 藍の縞の麻(古布)

紐 : 苧麻の手編みの組紐

緒締め玉 :アンティークのインド製のガラスのとんぼ玉

 

発送方法 :    レターパックプラス、ゆうぱっく、ヤマト便(東京発、60サイズ)、ご注文時にご希望の発送方法をお伝え下さい。

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